還暦~古希までにギターを攻略する

還暦までにギターを弾きこなす予定でしたが、古希までにはなんとか。

NEUMANN KH80 DSP MA 1で補正 1

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前回、借り物のスピーカースタンドを使っているので、
MA 1で補正する前にスピーカースタンドを購入したいということを書きました。

guitholic.hatenablog.com

で、購入したスタンドが昨日届いたので、さて交換しようかなと思ったのですが
イヤ待てよ交換したところで今より良くなるとは限らない
それなら、スタンドを交換する前に今の状態で測定して補正しておこうと思って、
補正してみることにしました。

画像のようにKH80の間に27インチのディスプレイがあって、左側スピーカーの横にはSparkが、右側スピーカーの右横には34インチのウルトラワイドのディスプレイがある。そしてカーテンの後ろはガラス窓という、環境としてはかなり悪いと思います。

MA 1による補正を行うには、まずはNEUMANNのサイトからソフトをダウンロードして始めていくのですが、主な手順はあさひの音楽ブログさんが紹介してくださった、SoundWorksKさんのサイトでNEUMANN MA 1 Monitor Alignment System の日本語使い方解説 -日本語訳してくれていますので、そちらを見ながら問題なく進めていたのですが、レベル調整のところでハマりました。

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いや、レベル調整なんてなんの問題があるの?って思うじゃないですか、それがそうではなかったんです。このレベル調整はミュートされてスピーカーから音は出なかったんです。ちゃんと「During this process the loudspeakers are muted」って書いてあるのに、読んでなかったんですね。 あれ?なんでレベル調整なのに音が出ないの?
でも、アウトプットのインジケーターはちゃんとレベルが上がってる。なんで?っていうのが混乱の始まりでした。

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MOTU M4にはWindows上でレベル調整や出力先を選ぶミキサー的なアプリはありません。ですのでWindowsからの出力を100%にして、M4本体のモニターアウトを9時くらいの位置にしてみると「very low signal level」って出たので、レベルを上げるのですが、まだ音が出ないことに気づいてなかったので、突然大きな音が出たらどうしようとビビりながらも、思い切って1時くらいにしました。それでもオッケーは出なかったので、もうやったれと最大レベルまで上げてみましたが、それもダメ。ただ、この時は「very low signal level」ではなく「adjust failed」って出てたような気がするのですが、それを単なるエラーと思ってしまったのが間違いで、今思えばレベルが大きすぎやというエラーだったようです。

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結局、M4のMONITOR OUTを最小レベルから徐々に上げていき画像のところでO.K.が出ました。ちゃんと読まないといけませんね。

あとはサクサク進んでいきました。マイクの音量を設定したり、スピーカーやマイクの距離を入力して測定が始まると、あとは言われるままにマイクの位置を変えるだけなので、最後まで問題はありませんでした。

補正後がこちら

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補正前がこちら

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こうやってグラフを見ると、やはり補正前は150Hz辺りを中心に山があって、あと100Hzに割と大きな谷があって中低域が荒れています。
補正されたものはかなりターゲットに近づけてられていて、荒れたところを出来る限り抑えて中高域に関してもフィックスしているようです。まぁ、いずれにしても低域は不足しています。

曲を聴いてみての感想ですが、
今までちょっと気になっていたD音前後のピークは全然気にならなくなりました。
例えばThe RezillosなんかはKey Dの曲が多いので、補正前はベースのイヤな箱鳴り感と締まりの無さを感じてましたが、一切それが無くなりとてもタイトで良い感じになりました。
もちろん他の曲も、和田さんがKH80+KH750のレビューでおっしゃっていたように視力が良くなったように感じました。まー、あれだけの山と谷を補正してくれたのだからそうなるのでしょうが、いやー、これは本当に凄いです!

KH80 DSPの最初のレビューで書いた、X軸、Y軸、Z軸的な音の定位感については、補正前と然程変化は感じられません。相変わらずとても良好です。

ただ、DTMで音楽を作ることを考えずに、純粋に音楽を聴くとしたら補正前と補正後では、補正前の方が良いと思える曲もあります。
補正前でも周波数のピークに影響される音の成分が少なかったんだと思いますが、補正をかけると音のコントラストが薄く感じられて、少し面白味が減った? みたいな、そんな曲もありました。
まぁ、そこら辺は自分でEQ操作も出来ますしね。

と、少し贅沢なことを言ってますが、このNEUMANN MA 1による補正は予想以上に良かったです。まだ1回やったくらいで、なに言ってるんだって言われそうですが、
正直、マイクの位置を変えたりするのって、少し面倒だなと思っていたんです。
だからスタンドを交換した時にやればいいやって。
でも、実際にやってみると大した手間でもなく、時間的にも音量レベルの問題さえなければ15分もかからなかったと思います。

MA 1を使ってみて思ったのは、今までだと音楽を流していて気になる音があった場合、セッティングやアクセサリーで何とかしようと思って、その時にお金があればやみくもにスタンドやインシュレーター、ケーブルと購入しては一喜一憂したでしょう。
今回のように150Hz付近に山があり100Hzで谷があった時に、アクセサリー類の交換や購入でどれだけの効果があるのか・・・それを考えると少し怖い気もします。

補正前と補正後がグラフで表示されると、単に機材の設置だけでなく、上に書いたSparkの位置やディスプレイに囲まれたスピーカーの配置、部屋の壁などの周囲についてを考える切っ掛けになりますし。

だからといって上にも書いたように補正した音が良い音ということではないので、そこは注意が必要だと思います。あくまでも強制的にヘンな音を抑えて足りない音を足して理想的なラインに近づけているだけなので、聴感上の良い悪いとはまた別物です。

スピーカー周りの環境を良くして、補正による強制的な部分を少しでも減らしていくのが理想的なのかもしれません。

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25年前くらいの話になりますが、オーディオ好きの知人のお宅でデジタルEQを使ってフラットにするから、おいでよということでお邪魔した時の話で、その方はこれで音の悩みから解放されると、凄い期待をし意気揚々としておられました。

結果、ただただ聴き辛い音になったことは忘れられません。
その時のその方の顔は更に忘れられません。いい思い出です。



スピーカースタンドをK&M 26772に変更したので再度測定しました↓

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